2013年04月15日

さくらさくらんぼ保育の5年間を振り返って

下の子がこの春、さくらさくらんぼ保育の保育園を卒園したのを機に、
やはりここで一度、この保育について自分の中でも総括しておきたいなあと思っています。

上の子はこの保育園と出会ったのが遅かったので保育期間は2年と短かったのですが、
下の子はお兄ちゃんと一緒に入園したので1歳児クラスから5年間を過ごしました。

性格の違いはさておいても、身体のしなやかさは歴然としています。
縄跳びや跳び箱、毬つき、コマまわし、ダンスなどなど、兄の卒園時と比べて
手足の使い方のぎこちなさがなく、動きが軽いのが分かりました。

実は兄妹ともに赤ちゃんの時にハイハイをせずに歩かせてしまったことが
ずうっと気にかかっていたのです。
子どもの発達の中でこのハイハイの時期が一番大切なのだ
ということが今ではよく分かるのに。

先日、横浜でリズミック・ムーブメント・トレーニング(RMT)という運動療法の講座を受講してきました。スウェーデンから来日されている提唱者の精神科医ハラルド博士から直々にお話を聴くことができました。RMTとさくらさくらんぼ保育とは何の関係もないにも関わらず、その中で教えられている療法は園でやっているリズム体操と驚くほど酷似していたのです。

RMTとは「リズミックな動き」のエクササイズを用いて脳の発達を促そうというもので、同じくスウェーデンの写真家のリンデ氏が自分の子どもたちの動きや運動障害のある人たちの動きを観察し研究して編み出したエクササイズを基にしています。
さくらさくらんぼ保育の斎藤公子先生も同じように子どもたちの動きを観察して、「さくらさくらんぼのリズム」を完成させたことととてもよく似ていています。
どんな国であってもどの時代でも子どもたちの発達の様子を丁寧に観察すれば、同じところに行き着くのだなあと改めて思ったのでした。(と言っても、私自身、保護者として関わっているだけなので「リズム」のことや斎藤公子先生のことについては本で読んだくらいの知識しかないのですが)

RMTのハラルド博士によると「赤ちゃんを歩行器に入れたり、赤ちゃん椅子や車のベビーシート、ベビーカーに長い時間いれておいたりするのは、赤ちゃんの自然な運動発達を制限し、大脳基底核の発達を阻害する。赤ちゃんは自分自身で自分のペースで運動機能を発達させるのだから、床の上を動き回らせておくべき」だとおっしゃっていました。
このことはさくらさくらんぼ保育の基本でもあり、園の先生からよく言われることです。

上の子の時を振り返ると、穴の中に入りたくなります。
まず、泣いてぐずってばかりだったので、しょっちゅうベビーカーや車のベビーシートに乗せて散歩やドライブに行って眠らせ、そのままの状態でお昼寝をさせたりしていましたし、抱っこ紐で外出もよくしていました。床の上で自由にさせていた時間がどのくらいあったのか、はっきり覚えていませんが、園の乳児さんたちよりはるかに少なかったことは確かです。加えて、おすわりができるようになると、積極的におすわりするように仕向け、おもちゃを取り揃えていたと思います。後々になって考えると、このおすわりを急がせたこともハイハイできなかった要因にもなっているのではと思うのです。

今となってはどうしてそういう生活にしてしまったのかと自分でも飽きれるくらいですが、
当時はとにかく自分の生活に赤ちゃんを合わせようという意識だったのかもしれません。
どうすれば効率的に寝てくれて家事の時間がとれるのか、休めるのかしか考えてなかった気がします。
そんな私でも「いわゆる歩行器が発達によくないのではないか」という情報は得ていて、歩行器には絶対乗せないぞと思ってはいたのですが、歩行器の代わりにバウンサーやベビーカーを多用してしまっては同じというところまで気がつかなかったのです。

赤ちゃんのハイハイの動きは、運動機能の発達だけでなく脳の発達のために本当に重要なんだそうです。
さくらさくらんぼのリズムでは「両生ハイ」というリズムがあり、両生類のハイハイの動きをします。RMTでも同じような動きのエクササイズがありました。
子どもたちは入園して毎日、この「両生ハイ」のリズムをしたわけですが、兄の方は2年では身体のぎこちなさはまだまだとれませんでした。妹の方は5年かかってようやくこのハイハイの動きによる運動発達の遅れを取り戻したわけです。(ぎこちないといっても、普通の生活に支障があったり、障害があるわけではありませんけどね)
赤ちゃんのころにちゃんとハイハイしていれば(というか普通に床にごろんとさせておけば)、1年もかからず発達できる部分が、後に残されるとそれを取り戻すのに時間がかかってしまいます(時間はかかりますが、取り戻せますけどね)。なんともったいないことでしょう。

IMG_1309.jpg
「両生ハイのリズム」

これまでの子育てを振り返って思うのは、とにかく、丁寧に子どもたちを観察するということを怠っていたなあと反省するのです。自分の都合に合わせることばかり考えていて、本当に大切なのは反対で、子どもに合わせてやることだったなあと思うのです。

このブログを読まれた、赤ちゃんをお持ちのお母さんたち、どうぞ、私と同じような失敗はしないでくださいね。どうぞ赤ちゃんの動きをよく見ていてくださいね。

先日、友達の5ヶ月の赤ちゃんを見におうちにお邪魔していたら、寝返りが片方しかできなくて、泣いて呼ばれてばかりだから、枕をしたり、クッションで寝返りが簡単にできないようにさせていたり、ちょっとおすわりができるようになったのでと言って自分からではなく親がおすわりをさせようとしていたり。ママの気持ちはよくわかるんですよね。自分も同じようなことをしていたから。
でもちょっと待って。子どもはどうしたがっているんだろうって、時間があるときは考えてほしいなと伝えました。自分からおすわりしたがってる?寝返りをしたがってるんじゃない?と。

どうぞ「子どもがしたがっていること」をいつも見ていて下さいね。

そして、もし子育てに悩んだら、迷わず保育園(できればさくらさくらんぼ保育系の園)に相談に行ってみて下さい。わが園もご紹介しておきます。

もみの木保育園(NPO法人子育てサポートもみの木)
岡山市北区足守2389
電話とファックス086-295-0342
HPはこちら→
ブログはこちら→
(毎週水曜日に子育て広場という日があり、子育て相談や遊び体験、給食体験の日になっています。予約が必要です)
posted by シンドウヨシコ at 12:30| Comment(2) | さくらさくらんぼ保育って? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月30日

何を大事にしますか

子育てのこと。
何を大切にしているでしょう。

園選びについて迷う方の話を聞いたので、
ふと、自分の園選びについての考えをまとめてみたくなりました。

まず、うちの娘が通う園のことに触れましょう。

うちの園は市内でも田舎にあります。
市中心部から車で30分くらい離れていますし、
公共交通機関はありません。
園バスもありません。

にもかかわらず、
遠方から通う人が半数近くいます。
中には高速で通う人や1時間かけて通ってくる人もいます。
さらに、近くに引っ越してくる人も多くいます。

どうしてそこまでして通わせたくなるんでしょう。

別にさくらさくらんぼ保育で育ったからといって、
有名大学に入っているわけではありません。
すごいスポーツ選手で活躍しているわけでもありません。
普通に、健康に、幸せに暮らしているだけです。

ここに通わせたいと思った親御さんは必ず、こう言います。
「子どもには、泥んこになって遊ばせたいし、
野山を駆け巡って過ごさせたい」と。
そして、いつも出る言葉が
「もっと早くから、赤ちゃんの頃から通わせておけば良かった」。

赤ちゃんの頃から、大地を這い回り、
水たまりで遊び、土手をハイハイする。
自然の中には、好奇心をくすぐるものがいっぱい詰まっています。
それを、制止されることなく、目にするもの、
興味を引くものに自分で這って行くことができる。
自分の意志で。

木はどれでも登って良いし、
砂場で水はじゃんじゃん使い放題。
友達同士のけんかだって、止めません。

幼児になれば、ノコギリは持たす、
包丁も持たす。カマを持たす。

子どもの想像力(創造力も)の世界を止めるものはありません。

そして、さくらさくらんぼ保育の身体作りの真骨頂、リズム運動。
ピアノの音楽に合わせて、様々な運動をするもの。
両生ハイといって、トカゲのような姿勢で手と足の力で這う運動がありますが、
これって、大人でも数メートルで、根を上げるほどにしんどい運動です。
このリズム運動を毎日欠かさず取り組みます。

こうやって、手の先から足の先まで身体を使い切ることを毎日やるのです。

文字は教えないの?英語は教えないの?

教えません。
さくらさくらんぼ保育では、
就学前に培っておくべき力は、学力ではなく、
その土台であると考えます。

しなやかな身体と、敏感に反応する五感。
そして10キロは軽く歩き通せる体力。

でも、大切と思うものは人それぞれ。
見学に来て、門の前で帰ってしまう人もいるそうです。

もし私と同じ感性の方がいらっしゃったら
ぜひ、お近くのさくらさくらんぼ保育の園をお訪ね下さい。




posted by シンドウヨシコ at 12:45| Comment(4) | さくらさくらんぼ保育って? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月24日

さくらさくらんぼ保育って?

砂場で山づくり.jpg


 我が家の子ども達が通っている保育園の園庭です。子ども達の遊びは豪快。いつも泥だらけです。園庭の木は登り放題、大きな砂場では巨大な山作り、水を豊富に使っての川作り。遊具はお父さんたちの日曜大工で作ったものがほとんどです。敷地は田舎なので田んぼを含めると千坪。草刈りだけでも大変ですが(もちろん父母が刈ります)、子ども達はのびのび野山をかけ回って遊んでいます。

 「さくらさくらんぼ保育」。シュタイナー教育やモンテッソーリは知っていても、この保育のことは全く知りませんでした。たまたま通える範囲にこの保育園を見つけ、通い始めてから、この園が「さくらさくらんぼ保育」という保育の実践園だと知りました。「さくらさくらんぼ保育」は50年ほど前に、斎藤公子氏が創設した保育理論のことです。現在ではこの保育を取り入れた園が全国に百カ所以上もあり、ネットで調べてみると、保育の世界ではかなり熱い支持があり、有名なようなのです。斎藤氏は学者でも医者でもないのですが、長年の保育の中で子ども達を観察することによって、脳科学者に支持されるような発達理論を構築されています。
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posted by シンドウヨシコ at 09:05| さくらさくらんぼ保育って? | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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